増えるコストがあることを認識してますか?(オフショア開発成功のすすめ)

オフショア開発でコストがうまく削減できていない人
・オフショアを活用しているがコストが思うように削減できない
・どうすればオフショアを活用してコストを削減できるのか?
・オフショアで本当にコストは削減できるのか?

といった質問に答えます。

結論から先に言いましょう。

・オフショアを活用することでコストは削減できます。

アメリカでも、

ソフトウェア開発にオフショアを多用していますが、

オフショアを活用することでコストが下がるから

オフショアを活用するのです。

しかし、それには前提があります。

そのことについて今回話をしようと思います。

目次

今回の目次です。

1.実際発注単価はどれくらい?
2.なぜ思ったよりコストが下がらないの?
3.こんな追加コストがかかります
(1)管理コスト
(2)手戻りコスト
(3)地理的コスト
4.追加コストを下げるためには?
5.コスト削減効果を最大化するには?
6.まとめ

それでは、1つ1つ説明していきますね。

1.実際発注単価はどれくらい?

オフショアの発注単価に関しては、

以前下記の記事の中で説明しました。

オフショアを活用する際、コストだけを重視していませんか? 正しくオフショアを活用すれば、コストも下がりますし、作業効率も上げることができます。 しかし、コストのことだけ考えてオフショアを活用すると必ず失敗します。 オフショア開発経験13年の筆者がその理由を説明します。

最近発注単価が上がっている中国やインドでも、

日本の企業に発注する場合と比較して約半分以下。

ベトナムにいたっては3分の1程度です。

なので、うまく活用できれば、

確実にコストを下げることができます。

それにも関わらず、

オフショアを活用しているプロジェクトでは、

思った以上にコストを下げることができていません。

場合によっては、日本の企業に発注する以上に

コストがかかる場合もあります。

それはなぜか?

その点について、次に話をします。

2.なぜ思ったよりコストが下がらないの?

一番の問題は、オフショアに仕事を発注する際に、

日本の企業に発注する場合とまったく同じやり方で

仕事を発注できると考えているからです。

これだと、絶対にうまくいきません。

現在オフショアを活用して開発を行っている人 ・なぜかオフショア開発がうまくいかない ・オフショアを活用すると問題ばかり起こる とい...

上記のブログでも説明しましたが、

コストを下げられない失敗するプロジェクトでは、

日本の会社に仕事を発注する場合と同じ感覚で仕事を発注します。

しかし、オフショアに発注する場合は、

日本の企業に発注する場合と以下のような違いがあります。

(1)日本人ではない(言葉が違う)
(2)文化やものごとの考え方が違う
(3)場所が離れている(距離が遠い)

これらの違いを原因とした課題が発生するため、

日本の会社に発注する場合と比較して、

どうしても追加でコストがかかるのです。

経営層はこういった相違を考慮せず、

単なる単価の違いだけで発注先をオフショアに変えるよう

指示してあとは丸投げ状態です。

しかしながら、だからといって日本の企業を使い続けると、

世界市場の中で価格競争に負けてしまいます。

また、人材不足で会社そのものの存続が難しくなってしまいます。

課題は色々あるとはいえ、

今後オフショア抜きでの開発というのは避けられないのです。

追加でコストがかかるものの、

どうやれば全体のコストが下げられるのかを

改めて考えてみたいと思います。

3.こんな追加コストがかかります

前述した相違から、次に説明するような追加コストが発生します。

(1)管理コスト
(2)手戻りコスト
(3)地理的コスト

それでは、1つ1つ詳細を説明します。

(1)管理コスト

日本の会社と仕事をする場合、

悪い言い方をすればある程度「丸投げ」しても

それなりのものが納入されます。

ところが、オフショアに仕事を依頼する場合は、

定期的に進捗状況や中身をチェックしないと。

発注側が意図したものが出来上がってこないリスクがあります。

また、日本の会社の場合「報連相」がしっかりしているので、

何か問題があった場合も早い段階で手を打ち、

問題に対する影響を最小化する事ができます。

オフショアの場合、

いったん仕事を受けたあとはすべて自己責任と考えて仕事を進めます。

問題があった場合も発注側に迷惑をかけないよう、

自力で解決を試みます。

そのため、問題を自力でどうしても解決できないケースが発生した場合は、

ギリギリになってから問題が発覚するような事が起きてしまいます。

発注側の日本の会社からすると、

「なんでもっと早く言わないんだ!」

という事になりますがこれは前述のとおりで、

出来るだけ発注側に迷惑をかけないという考え方で進めているからなのです。

このような事が続くと、

どうしても進捗を確認する会議が多くなったり、

進捗状況を確認するためのドキュメントが多くなります。

作る方も大変ですが、チェックする方も多大な工数がかかります。

こういった例一つとっても、

管理コストが増える事が分かると思います。

(2)手戻りコスト

オフショア活用の初期段階で発生するもっとも大きなコストは手戻りコストです。

手戻りコストとは、作業のやり直しによって発生するコストです。

オフショアを活用した開発では、

互いの認識の齟齬(そご)によって手戻りが発生し、

そのリカバリにかなりの工数を要することがあります。

手戻りコストが発生する一番の原因は、コミュニケーションギャップです。

これは、言葉(言語)のことを言っているのではありません。

オフショアとの開発では言葉の違いによるコストよりも、

互いの認識の齟齬(そご)の解消のためのコストが非常に多くかかります。

認識の齟齬(そご)によるコストは何か?というと、

日本の請負会社であれば「10」のうち「5」の説明で伝わることも、

オフショアとの間では「10」もしくは「10」以上の説明が必要になることがあります。

このことを認識せず、日本の会社と同じように「5」の説明だけで作業を発注すると、

意図したものが完成せず手戻りが発生します。

この認識の齟齬(そご)は、互いの文化や習慣、考え方の違いから起こります。

これは日本側、オフショア側のどちらが悪いわけでもなく、

異なる国の人間同士が共に仕事をする場合にはどうしても発生する課題です。

このような事はどの国同士の間でも起きますが、

日本の場合、発注を行う会社は海外の会社と一緒に働くことになれていないため、

この認識の齟齬(そご)がより大きくなり、コストがかかることになります。

それでも、ある程度開発を一緒に継続していけば、お互いの考え方や

仕事のやり方が分かってくるので、徐々に手戻りコストは減っていきます。

でも、筆者の経験だと、そこまで到達するのに2〜3年はかかると思います。

(3)地理的コスト

地理的コストは読んで分かる通り、

開発場所が離れていることによってかかるコストです。

オフショア開発の場合、年に数回程度双方を訪問し、

開発状況の共有や今後の戦略の議論を行う必要がでてきます。

また、開発に必要な機材の輸送費や、

ネットワークを通じて会議を行うための機材やソフトウェア、

回線使用料といったものが必要になります。

まあ、それでも前述の管理コストや手戻りコストと比較すると、

金額的には非常に小さいコストで済みます。

4.追加コストを下げるためには?

では次に、

(1)管理コスト
(2)手戻りコスト
(3)地理的コスト

のこれら3つの追加コストをどうやって減らすかについてです。

まず項(3)に関してですが、これは減らすことはできません。

必要経費だと思って、当初から予算に組み込むようにしましょう。

では、「管理コスト」「手戻りコスト」に関してですが、

これらを減らすのに効果的な施策は

「コミュニケーション」

です。

そもそも「管理コスト」「手戻りコスト」の原因は何かというと、

「コミュニケーション不足による認識の齟齬(そご)」

です。

管理コストが増えるのは、

オフショアとの普段のコミュニケーションが不足し、

その事が原因で問題が発生。

問題発生による工程会議の長期化や、管理指標の増加、問題の対策が必要になるからです。

手戻りコストも、作業発注時に要件や仕様の詰めが甘いことがそもそもの原因です。

認識の齟齬(そご)を0%にはできませんが、

コミュニケーションを密にすることで問題の発生を減らすことができ、

「管理コスト」や「手戻りコスト」を低減させることができます。

5.コスト削減効果を最大化するには?

今まで読んできて、

・そんなに面倒ならオフショアは使わない!

と考えた読者もいたと思います。

それでは、どのような場合にオフショアを活用すると

コスト低減効果を最大化できるかを説明します。

それは、

・ある程度発注規模が大きく作業的に難易度の高くない作業

をオフショアに発注する場合に、最もコストを低減することが可能となります。

たとえば、ソフトウェアの開発であれば、

テスト作業を発注すると良いでしょう。

テスト作業というのは、時間と工数を多く必要としますが、

テスト項目が明確に決まっていればスキルはそれほど高くなくても実施可能です。

このような作業であれば、作業指示も単純で管理も難しくありません。

もし、高いスキルを必要とする作業であっても、

ポイントとしては、「ある程度の規模」を発注することです。

オフショア開発に関しては、

数人程度の作業規模だとコミュニケーションにコストが多くかかってしまい、

たとえ発注単価が安くてもトータル的にはコストは高くなります。

数十人単位の規模の作業を発注するのが、もっともコストの低減を図ることができます。

6.まとめ

それでは、まとめです。

その発注単価の安さから、

コスト低減を目的としてオフショアの活用を計画する企業が多いと思います。

しかし、オフショアを活用する際には、

日本国内の企業に発注する場合と比較して追加でコストが必要となるケースがあります。

それが、以下の項目です。

(1)管理コスト
(2)手戻りコスト
(3)地理的コスト

項(3)はオフショアを活用する際の必要経費ですが、

項(1)(2)に関しては、オフショアとのコミュニケーションを

密にすることで減らすことができます。

そして、オフショアを活用した開発でもっともコスト削減を図るためには、

・ある程度発注規模が大きく作業的に難易度の高くない作業

を発注することです。

これにより、開発費が最適化され、開発費用を低減することが

可能となるでしょう。

いかがだったでしょうか?

まだまだ、難しかったかもしれませんね。

オフショア開発のノウハウは、

今後も引き続きブログにアップしていきますので

是非参考にしてみてください。

本ブログを通して、

あなたのプロジェクトが少しでもうまくいくようになれば

これ以上嬉しいことはありません。

それでは、また!

あつし