コストだけを考えると必ず失敗します(オフショア開発成功のすすめ)

オフショアを活用した開発を進めている人、これから進めようとしている人
・オフショアはどんな仕事に向いているか?
・オフショアを使うと本当にコストが安くなるのか?

といった質問に対して、

「コストだけを考えてオフショアを活用すると必ず失敗します」

という話をします。

筆者は約13年に渡って、オフショアを活用してソフトウェアの開発を

とりまとめてきました。

「オフショア」と聞くと幹部は必ず、

「いくらコストが安くなるんだ?」

という質問をされます。

まあ、確かにコストは安くなります。

なりますが、

・オフショアの使い方を間違うと逆にコストが高くなる

ということを理解していない人が多すぎます。

今回は、オフショア活用の際に考えなければならない点を説明します。

ブログ「オフショア開発成功のすすめ」に関して

ブログ「オフショア開発成功のすすめ」シリーズに関して、

筆者のオフショア開発の経験や、

「オフショア開発成功のすすめ」シリーズの目的や達成すべき目標を

別のブログ「リンク」にまとめています。

参考にしてください。

目次

今回のブログの目次です。

1.オフショアにかかるコストは実際いくら?
2.日本人は海外のエンジニアと働くことになれていない
3.コストが安ければスキルもそれなり
4.それではどうするのか?
5.まとめ

では、1つ1つ説明していきますね。

1.オフショアにかかるコストは実際いくら?

前回のブログ「オフショア開発とは?」で説明した通り、

オフショア開発とは、

・情報システムやソフトウェアの開発業務を海外の事業者や海外子会社に委託・発注すること

を指します。

オフショアの活用は様々な分野に広がっていますが、

ここでは、ソフトウェア開発でオフショアを活用する

場合について話をします。

では、実際にオフショアを活用した開発の場合

どの程度コストがかかるのか単価の観点からまずは話をします。

下記は発注先の国別のエンジニアの単価データ(相場)です。

エンジニア単価
相場(円/月)
中国 35万〜40万
インド 30万〜40万
ベトナム 33万円前後

(出典:オフショア開発Naviより)

日本国内でソフトウェアエンジニアを雇う場合、

筆者の経験では90万円/月〜くらいの費用がかかります。

これだけを比較すると中国やインドに発注する場合は半額以下。

ベトナムの場合は3分の1以下となります。

会社幹部がこれをみると、

「日本人の代わりに単価の安いベトナムを使って開発しろ!」

となるわけです。

いやいや、ちょっと待ってください。

そう簡単にはいきません。

そもそも、前提を忘れていませんか?

オフショアの人たちは日本人ではないのですよ?

そこをきちんと考えないのでオフショア開発を始めるので、

日本の企業はオフショア活用で大失敗します。

確かにアメリカなどではオフショア開発は昔から普通に行われています。

それと同じように、

「日本でも簡単にオフショアを活用できる」

と思っているのが間違いです。

それは、なぜでしょうか?

それを次に説明します。

2.日本人は海外のエンジニアと働くことになれていない

アメリカはもともと多民族国家です。

様々な人種の人々が、

同じ会社や社会で生活することになれています。

異なる文化や、習慣、考え方。

そいういったものをお互いに理解、尊重し合う土壌が出来ているのです。

それに比べて日本人といえば、

・話せる言葉は日本語だけ
・ごく一部を除き会社も社会も日本人だけ

という環境で生きています。

そのような人たちが、いきなりインドやベトナムといった人たちと

一緒に働くことを考えてみてください。

そうです、うまくいくわけがありません。

そもそも、言葉すら通じないことがほとんどです。

そのため、以下のような問題にぶち当たります。

・言葉(主に英語)が通じないことによるコミュニケーションギャップ
・文化や考え方の違いによって想定した成果物が出来てこない

これらの問題を解決するために多大な工数とお金を投入することになり、

結局はコスト的に安くならないという結果になります。

そして、これらの問題が発生した理由を

・オフショアはスキルが低い!
・オフショアの成果物は品質が悪い!

と決めつけてオフショアは使えないという結論になりがちです。

そして、プロジェクトは大失敗。

次のプロジェクトはやっぱり日本人で開発しよう。となるわけです。

このようなケースを筆者は何十と見てきました。

はっきりいって原因は日本側にあるのですが、

そこを日本の会社の幹部や現場の人間は分かっていません。

この問題に関しては別のブログで説明しますが、

ここでは、日本人が海外のエンジニアと働くことになれていないため、

・日本人は欧米と同じようにはオフショアを活用できない
・なぜなら海外のエンジニアと働くのになれていないから
・そのために対応に想定以上のコストがかかる
・時にはプロジェエクトが頓挫する

といっ問題が発生することを理解してください。

3.コストが安ければスキルもそれなり

そもそも論として、

「エンジニア」

がすべて同じスキルではないことは

誰もが分かっていることです。

日本人でも、エンジニアごとにスキルは違います。

そして、スキルによって単価が変わるのです。

当たり前ですよね?

ちなみに、私はオフショアが単価が安いので、

オフショアのエンジニアがすべてスキルが低いと

言っているわけではありません。

オフショアにも優秀なエンジニアは大勢います。

極端な事を言ってしまえば、

今は日本でエンジニアを探すよりも

海外のほうがずっと安い価格で優秀なエンジニアを

採用することができます。

ただし、ITスキルは国によっても状況が変わります。

下記は、各国のエンジニアのITスキルのレベルを表しています。

基礎的なレベルを
有するエンジニアの
割合
一般的なレベルを
有するエンジニア
の割合
高レベルスキルを
有するエンジニア
の割合
米国 13% 15.8% 71.2%
インド 13.2% 24.4% 62.4%
中国 13.4% 39.0% 47.6%
ベトナム 19.7% 38.3% 41.5%

(出典:オフショア開発Naviより)

単価の安い国ほど、高レベルスキルをもったエンジニアの割合が

減っていることがわかると思います。

やはり即戦力で使えるエンジニアとなると高レベルエンジニアに

なるわけで、そうなると単価の高い国になってしまいます。

ここでのポイントですが、

オフショア活用を考えた場合、

幹部はエンジニアの単価だけに目がいきがちです。

しかしながら、単価の安い国ではスキルの高いエンジニアを確保しにくくなります。

そこを考慮しないで単価だけで発注先を判断すると、

必要なエンジニアを確保できずプロジェクトが失敗することになって

しまうのです。

4.それではどうするのか?

さて、ここまで説明すると、

・「それじゃ、どうすればいいんだ?」
・「オフショアを使うのを止めろというのか?」

と言いたくなると思います。

前回のブログ「オフショア開発とは?」で説明した通り、

今後の日本においてオフショアの活用は避けては通れません。

重要なのは、オフショアを活用する際の利点や欠点を

正しく判断した上で、

・オフショアを活用する開発業務
・開発作業を発注する先の国

を判断しなければならないということです。

オフショアをうまく活用すれば、

・開発コストの低減
・不足するエンジニアの確保

を必ず実現することはできます。

読者の皆さんは、ブログ「オフショア開発成功のすすめ」シリーズを参考に

正しくオフショアを活用してもらえればと思ってます。

5.まとめ

それでは、まとめです。

このブログでは、

・コストだけを考えるとオフショア開発は必ず失敗する理由

について説明してきました。

理由は以下です。コストだけ考えると、

・日本人は海外のエンジニアと働くのに慣れていない
そのため、想定以上の手間とコストがかかる場合がある。
・作業を発注する先(国)によってエンジニアのスキルが違う
このため、発注先(国)を選ばないとプロジェクトが失敗する。

といった問題が発生します。

今回は安易なオフショア活用がプロジェクトを失敗させる

要因について説明しました。

次回以降は、どうすればうまくオフショアを活用できるかに

ついて説明します。

それでは、また!

あつし